教育におけるジェンダーの不平等

 分析がうまくいかないので(?)、Annual Review of Sociology の論文(Buchmann et al. 2008)を読む。幼少期から青年期にかけての学習パフォーマンスの性差や大学進学率における性差とその変動についてコンパクトな記述でまとめられている。階級や人種と性差とのインタラクションについてもうすこし詳しく知りたかったけれど、それは今後、探求していくべき研究課題のようである。ただ、本文中で性別と進学率との関係に見られる階級ごとのちがいなどについて触れられている箇所があり(1960年代のアメリカでは階級が低いと女性の教育達成が低くなっていたが、現在は関係が逆転して、階級が低い男性がもっとも不利らしい)、それなりに勉強になった。文献リストも参考になるし。分析をやめて、しばらく関連論文を読んでみるか。Buchmannらも指摘しているようにOECD諸国のなかで日本、韓国、トルコ、スイスは進学率の性差に関して特殊だから、最終的には日本の様子をうまく説明できるオリジナルな仮説をつくる必要は出てくるが。