2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

多元化する「能力」と日本社会

多元化する「能力」と日本社会 ―ハイパー・メリトクラシー化のなかで 日本の〈現代〉13作者: 本田由紀出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2005/11/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 144回この商品を含むブログ (77件) を見る 著者によれば今の日本社会は…

孤独なボウリング: 歴史からの教訓

パットナムによれば、社会関係資本の衰退に対抗するためのヒントは、アメリカの過去の歴史の中に見出されるという。「金ぴか時代」(1870〜1900年)と「革新主義時代」(1900〜1915年)に起こった出来事が、それにあたる。この今からほぼ1世紀前の時代に、社…

孤独なボウリング: それで?

それで、社会関係資本は何の役に立つのか?社会関係資本は、(1)社会的ジレンマの解決、(2)取引コストの節約、(3)他者への共感、他者からの承認の源泉、(4)情報の伝達、などにおいて効果を発揮する。より具体的には、アメリカにおける高社会関係資本…

学習の到達度に対するカトリック系学校の効果

『孤独なボウリング』の注にあったので、下記の論文を読んでみた。 Morgan, Stephen L. and Aage B. Sørensen, 1999, "Parental Networks, Social Closure, and Mathematics Learning: A Test of Coleman's Social Capital Explanation of School Effects," …

孤独なボウリング: 移動性とスプロール

パットナムによれば、市民参加の低下の原因は世代的変化とテレビだという。それ以外の候補となる要因は、決定的な原因だと断定するために必要な、下記の条件を満たさないためである。(p. 227-228) 提起された説明要因は、社会関係資本及び市民参加と相関し…