共同体論は、液状化する近代のプロセスに対する当然の反応としてあらわれたものだ。液状化のなかで、個人の安定や安全に対する保障は失われていったが、個人的責任の規模はかつてないほど大きくなった。私的自由の追求のために、他者との絆が弱くなることは…
「家庭教育」の隘路―子育てに強迫される母親たち作者: 本田由紀出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2008/02/25メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 82回この商品を含むブログ (30件) を見る 家庭教育重視へと向かいつつある政策的・社会的関心に対する批判の…
Mobility and Inequality: Frontiers of Research in Sociology and Economics (Studies in Social Inequality)作者: Stephen L. Morgan,David B. Grusky,Gary S. Fields出版社/メーカー: Stanford University Press発売日: 2006/02/13メディア: ハードカバ…
ぼくらの 9 (IKKI COMIX) 発売していたみたい。
前進・進歩というのは過去の足跡のなかに確かめるものではなく、いま、この瞬間に生きている人間が担うべきことだ。前進するためには、「いま」をしっかりとつかんでおく必要がある。そして、実際に前進をおしすすめるためには、仕事・労働に従事するという…
TeraPadを入れてみる。いろいろと機能がついているけど、とりあえず「折り返し反映コピー」だけでもかなり便利。
毎週一度は必ず行くようにしている古市での収穫。『もっけ 3巻』。『アフタヌーン』で読んでいるのは、これと『ああっ女神さまっ』だけか。
時間と空間は、かつて人間の生活・労働のなかでほとんど同一のものとして扱われていた。一定の時間に移動できる距離が「空間」で、その移動にかかるのが「時間」だ、といったように。それが、人間や動物の足よりも速く移動することができる乗り物が発明され…
連帯と絆が崩壊した流動的近代にあって求められているのは、共同体であるという。ここでいう共同体には、差異はあってもそれは安全性が保証されたものであり、対立を生んだり、妥協が必要だったりするような本物の差異は存在しない。公共の場は、限られた人…
Wellman, Barry, Anabel Q. Haase, James Witte and Keith Hampton, 2001, "Does the Internet Increase, Decrease, or Supplement Social Capital? Social Networks, Participation, and Community Commitment," American Behavioral Scientist, 45(3): 436…
Shah, Dhavan V., Nojin Kwak and R. Lance Holbert, 2001, "'Connecting' and 'Disconnecting' With Civic Life: Patterns of Internet Use and the Production of Social Capital," Political Communication, 18(2): 141-162. インターネットの利用と社会…
オーウェルとハックスリーによる未来予測は、一方は荒廃と貧困、他方は富と浪費を描いたものであったが、厳しい統制社会に対する不安という点でヴィジョンは一致していた。そこでは、私的自由がゼロになるだけでなく、命令や規則に従順な人間から自由が憎ま…
たまにはゲーマーズで買い物をしないとポイントカードの有効期限が切れてしまう。と、思ってカードの裏を見てみると、期限は最終利用日から2年とある。まあ、でもせっかく来たので、『灼眼のシャナ 5巻』と『とある科学の超電磁砲 2巻』を買う。どちらも以前…
パソコンにAdobe Reader Speed-Upを入れてみた。これはPDF形式のファイルを見るときに使うAdobe Reader(とAdobe Acrobat Reader)の起動を高速にするためのフリーソフト。Adobe Readerの起動にやたらと時間がかかるのは、起動の際に大量のプラグインを読み…
[rakuten:topculture:10000997:detail] 安いのに書き味が滑らかで、何よりも最後までインクが詰まらなかったボールペン。また買うつもり。
合衆国における多数の全能とその帰結について アメリカでは多数派が力をもっている。これは民主政治の本質に由来する。また、アメリカでは立法部の構成員は選挙によって直接選出され、その任期も短い。立法権が多数者に従う傾向は法律によって強化されている…
いまさらだけど、どうしてMicrosoft Wordでは欧文フォントのデフォルトがCenturyになっているのだろう。Centuryはフォント・ファミリーがそろっていないから、イタリックやボールドがうまく表現されない。ボールド(太字)は何とかごまかしがききそうだが、…
民主制はそれ自体として最善の政治制度ではない。民主制の弱点や弊害には目がいきやすいが、その利点はみえにくい。トクヴィルは、アメリカ人が民主制からどんな利益を引き出しているのかを描こうとしている。 民主制のもとで、人民は権利を配分されることで…
アメリカのデモクラシー〈第1巻(下)〉 (岩波文庫)作者: トクヴィル,Alexis de Tocqueville,松本礼二出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/12/16メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 21回この商品を含むブログ (31件) を見る 第2部第4章に結社についての言及…
人間のおこないを邪魔するあらゆるものから人間を「解放」し、自由を獲得することが近代の大きな目標だった。自由は獲得されたが解放は終わっていない。今日の個人は「形式上の個人」であって「事実上の個人」ではないためである。前者が後者へと変わるため…
リキッド・モダニティ―液状化する社会作者: ジークムントバウマン,Zygmunt Bauman,森田典正出版社/メーカー: 大月書店発売日: 2001/06/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 82回この商品を含むブログ (38件) を見る バウマンは物質の状態として、液体や気…
アメリカのデモクラシー (第1巻上) (岩波文庫)作者: トクヴィル,松本礼二出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/11/16メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 50回この商品を含むブログ (82件) を見る 序文によると、本書が書かれたとき、アメリカとヨーロッパ…
多元化する「能力」と日本社会 ―ハイパー・メリトクラシー化のなかで 日本の〈現代〉13作者: 本田由紀出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2005/11/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 144回この商品を含むブログ (77件) を見る 著者によれば今の日本社会は…
パットナムによれば、社会関係資本の衰退に対抗するためのヒントは、アメリカの過去の歴史の中に見出されるという。「金ぴか時代」(1870〜1900年)と「革新主義時代」(1900〜1915年)に起こった出来事が、それにあたる。この今からほぼ1世紀前の時代に、社…
それで、社会関係資本は何の役に立つのか?社会関係資本は、(1)社会的ジレンマの解決、(2)取引コストの節約、(3)他者への共感、他者からの承認の源泉、(4)情報の伝達、などにおいて効果を発揮する。より具体的には、アメリカにおける高社会関係資本…
『孤独なボウリング』の注にあったので、下記の論文を読んでみた。 Morgan, Stephen L. and Aage B. Sørensen, 1999, "Parental Networks, Social Closure, and Mathematics Learning: A Test of Coleman's Social Capital Explanation of School Effects," …
パットナムによれば、市民参加の低下の原因は世代的変化とテレビだという。それ以外の候補となる要因は、決定的な原因だと断定するために必要な、下記の条件を満たさないためである。(p. 227-228) 提起された説明要因は、社会関係資本及び市民参加と相関し…
第2章から第8章では、さまざまなコミュニティから多くのメンバーがいなくなっていった様子が記述されている。なかには青年ボランティアのように、退潮の流れに抵抗する動きもあるが、その抵抗力はまだ大きなものではない。第9章では、コミュニティのメンバー…
孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生作者: ロバート・D.パットナム,Robert D. Putnam,柴内康文出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2006/04/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 86回この商品を含むブログ (84件) を見る 読書会をはじめてからもう…